「紅き月の下での会話」


空に紅い月があった。月は地球の光を反射して、様々な形を作ると誰かが言っていた。
なら、紅い月はこの大地を反射しているの?
 私のこの足元に広がる紅い大地を。
この無数の屍を抱える紅い大地を、空にある月は映しているの?
『何故、泣く…少女よ』
 足元から聞こえたしゃがれた声に言われてはじめて気が付いた。
 頬に伝わる冷たい感触に。
「分からない…」
 私の答えられる全てをその一言に込めて答えた。
『なれば、泣く事はない。幼き子よ』
『そう、お前は死ぬことを許されなかった我らに安らぎを与えた…』
『誇れ。お主の行動を、お主の意思を…』
 私の足元に広がる死人たちは、魂の声で許してくれた。
「ありがとう…」
 私が答えられるのはそれだけだった。
 流れ落ちる涙の意味は分からないけど、それでもその答えだけで十分な気がした。
 紅い月、紅い大地の下での会話。
 月に上る魂の光を見送りながら思う、決して誇る事の出来ない会話だったのかも…と。





赤字で書いてあるのは、某所で行われた「400字で小説を書こう」と言う課題の元に作成した文です。
HNこそ違えど、確実に俺が書いてます(念押し/笑)
これを思いついたのは、満月前の時、ふっと空を見たら綺麗に光を放つ月があったわけよ。(別の日には下限の月の真ん中に雲が掛かって、猫の目のように見えたり楽しかった)
んで、中学生の頃に見た紅い満月を思い出してね。それで、丁度良いから挑戦してみようって。
上に書いてある詩もどきは、バイト行く前に思いついた(笑)
やってみた感想は、難しいの一言に尽きる。
空白含めないで400字にしたんだけど、字数オーバーか、足りなさ過ぎで調節するのに苦労したよ(笑)
ま、そんな一つの作品でした〜。


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